商品企画の仕事で大事なのは、どう考えてもやっぱりこれだよね!

sinarcです。

 

本日は、仕事に関する内容について投稿していきたいと思います。

 

同じような仕事をしている方の助けに少しでもなれるよう、私が仕事をする上で大事にしていることを書いていきます。

 

私は、メーカーで商品企画の仕事をしており、ずばり最初に結論を言いますと、

「どんな時もエンドユーザーさん(使ってくれる人)のために仕事をする」

ことが大事だと考えています。

 

え、そんなの当たり前じゃない、と思われた方が大多数かと思いますが、

実際に仕事をしていると、ここを軽視してしまうことがよくあります。

 

では、なぜそうなってしまうのか、というのを以下の理由別に解説していきます。

 

①新しい技術ばかりを追いかけてしまう

②自社らしさにこだわり過ぎてしまう

③利益改善のことばかり考えてしまう

④上司が喜ぶ企画にしてしまう

⑤他部門の意見を聞き入れ過ぎてしまう

 

 

①新しい技術ばかりを追いかけてしまう

 商品企画の仕事というのは、メーカーにとってとても花形の仕事であるため、

 どうしても、「どうだ、これすごいだろ~!!」とか「こんな新しい技術があれば売

 れること間違いなし!!」と思ってしまい勝ちです。

 

 この気持ちは、よ~く分かりますし、実際試作品なんかを見た時には胸が高なりま

 す。

 

 ただし、注意しなくてならないのは、お客さんが欲しいのは、新しい技術そのもの

 ではなく、新しい技術の先にある新しい価値やメリットです。

 

 ここを間違えないためにも、メーカーというのは、「技術」を売る訳ではなく、「価 

 値」を売るということを意識することが必要です。

 

 あとは、その「技術」が産み出す「価値」はシンプルで分かりやすいものだと、より

 お客さんへストレートに伝わるということも考えておくといいですね。   

 

 

②自社らしさにこだわり過ぎてしまう

 特に大手の老舗メーカーにこの傾向が見られますが、過去に成功した方法をそのまま

 変えずに採用し続けてしまうということです。

 (会社の経営方針などはむしろ変えない方が良いかも知れません)

 

 ここについては、その自社らしさが、どんな時代でもどんな世代にも受け入れられる

 スペシャルな技術や特殊な材料だというなら良いのですが、なかなかそれは難しいで

 すよね。

 

 あるあるなのは、ここでベテラン社員と若手社員が衝突して、仕事終わりの居酒屋で

 お互いに対する愚痴をこぼしているのという光景です。

 

 まあ、自社らしさや強みを軸にして商品企画をすることは悪いことではないですが、

 自社以外の競合他社や他業界がすごいスピードで世の中の常識を変えてしまっている

 ということは、忘れないようにするべきですね。

 

 その上で市場のニーズを的確に捉え、自社らしさ×○○を融合させることで新たな価

 値を産み出すことができれば、会社としてもさらに成長していけると思います。

 

 

③利益改善のことばかり考えてしまう

 民間の企業である以上、投資を掛けて商品を作るということは、発売後にその投資を

 回収し利益をさらに上げていく必要があります。

 

 これが、なかなか大変でして、投資を回収するというは、今までと同じ利益額で良い

 訳ではなく、プラスで上げていかないと単純に投資した分が損になります。

 例)今までの利益=1億円

   発売後の利益=1億円-2千万=8千万 ※投資額を2千万とする

 

 ということは、今までと同じ利益を確保するためには、利益額を1億2千万にする必

 要があります。

 

 これを達成するのは容易なことではありません。

 方法としてはいろいろあるのですが、大きく分けると、

 1.スペックを落として原価を下げる

 2.スペックは落とさず価格を上げる

 

 ここの判断は非常に難しいのですが、「どっちがお客さんのためになるか」という

 基準を持っていれば、正しい判断が出来ると思います。

 

 まあ、スペックを落とさずに価格も上げない、という両立を実現させるのが、企画職

 の腕の見せところですので、まずはこの理想を追いかけるようにしたいですね。

 

 

④上司が喜ぶ企画にしてしまう

 これは、よくやってしまうのですが、会社の組織として仕事をしている以上、上司の

 承認というのは避けて通ることができません。

 

 運悪くクセがすごい上司に当たろうもんなら、なかなか企画書が通りません。

 上司だから部下に何かしら言わないと、という謎なこだわりだけで指摘してくる人も

 いますよね。(別に特に指摘がないならそのまま通してよ、って思います)

 

 そんな時、上司とやり合うのは面倒だからといって、いいなりになるのはやめま

 しょう。

 

 自分が企画した商品を使うのは上司でありません。お客さんです。

 極端な話し、企画書はお客さんに出すというイメージでやるくらいで良いと思いま

 す。

 

 とはいっても、上司への報告は、先ほども書いた通り避けては通れません。

 そこを上手くかいくぐる得策があれば良いのですが、なかなかありません。

 

 ただ、どんな上司でもここだけは押さえておくべし、というツボがあるはずです。

 

 そこを上手く押さえることが、突破するための1つの処世術だと思いますので、

 普段の指摘内容から傾向を分析し、引き出しを持った状態で臨めると良いですね。

 

 

⑤他部門の意見を聞き入れ過ぎてしまう

 「商品企画=他部門との調整」といっても過言ではないくらい、購買部門や営業

 部門、品質部門、設計部門、生産部門との果てしない調整業務があり、とても骨が

 折れます。

 

 例えるなら、開発企画職という指揮者がいて、関係部門という演奏者がいるという

 状態で、演奏者が自分勝手に演奏して指揮者の言うことを聞いてくれない、という

 現象が良く起きるということです。

 

 それじゃあ、関係部門の人達が自分勝手なだけというとそうではなく、それぞれの立

 場があるため、これはある意味仕方のないことです。

 

 そこを理解した上であっても、どうしても全て部門からの要求は飲めない時に、「お

 客さんにとってどっちが良い?」ということを考えれば、自分の中で整理しやすくな

 り、関係部門の人達にも理解してもらいやすくなりますね。

 

 

はい、ここまで開発業務のリアルな面について書いてきましたが、何度も言う通り、

大事なことは、結局「お客さんのために」ということです。

 

あとは、そのお客さんが自分の家族や友達だとしたら、と考えると余計に妥協できない

なという自覚も生まれますので、ぜひこの感覚を忘れずに日々の開発業務に励んでいき

たいですね。

 

以上